2024-11-08

API 総研について

執筆: 小手川 周平 (API総研編集長)

API総研を運営しているECU株式会社 代表の小手川と申します。

当メディアは「API連携開発」に特化したECUがこれまでの知見を活かして、APIについてのテクノロジーやビジネスについて発信していきます。

今回、まずはわたしたちが感じているAPIの重要性や課題などについてお話させていただければと思います。

運営者について

まずは私自身のこれまでの経験について紹介させてください。

新卒でfreeeにエンジニアとして入社、会計・経費精算などのSaaS開発に従事したのちに、CTOと2人でAPI開発事業部を立ち上げました。当時やっていたこととしては、

  • 会計や人事労務の公開APIを開発
  • 外部向けAPIをローコストで安全に公開・メンテナンスしていくための基盤の構築
  • 新規プロダクト「freeeアプリストア」の企画、開発、リリースをリード

など、公開APIを新規で作ってビジネスにつなげていくための様々なことに関わりました。

その後スタートアップのCTOを経て、LINE社(現LINEヤフー社)にてAPI領域のプロダクトマネージャーとして、APIを用いてどのようにプロダクトをグロースさせていくかなどの戦略策定などを行っていました。

キャリアを通じてAPIという領域に関わり続け、APIを通じてより広く深く価値を出していくために2023年にECU株式会社という開発会社を創業しました。

昨今のSaaSの潮流とAPIについて

グローバルでも国内でもSaaSの数は急増しており、主要な業務領域にはある程度ベストプラクティスと呼べるような大手SaaSプロダクトやベンダーが存在しているともいえるでしょう。

SaaSカオスマップ

SaaSカオスマップの一部 引用元: ITreview B2B IT

2010年代に誕生したfreeeやマネーフォワード、SansanなどといったホリゾンタルSaaSを皮切りに、CADDiやカケハシなど特定の業界に特化したバーティカルSaaSも台頭するようになり、エンタープライズ企業がSaaSを導入するのも珍しい話ではなくなってきています。

近年ではRipplingやLayerXやのように、コアデータや共通のミドルウェアを基盤として複数のプロダクトを展開するコンパウンドスタートアップが登場しています。また、生成AIをプロダクトに組み込んだり、開発プロセスで生成AIを積極活用したりする潮流も目立つようになり、技術進化もSaaS市場のさらなる進化を促しています。

これからも今まで以上のスピード感で新たなSaaSが生まれ、激しい競争の中で進化し続けることは間違いないでしょう。

SaaSの急増と公開APIの普及

SaaS市場の競争環境や国内における優れたプロダクトの増加は、ユーザー視点だと歓迎すべきものだと思います。

一方で、適材適所で最適なツールを選定し組み合わせ、業務の全体最適を実現する難易度は年々高くなっています。たとえば申請のUXがとても優れているという理由で経費精算のSaaSを導入した場合、経費精算後の業務(仕訳作成や従業員の給与に反映)までサポートされておらず、バックオフィス全体で見ると経費精算SaaSだけでは完結しません。

業務の全体最適を図るには、それぞれのタスクを効率化・自動化するだけではなく、タスクを起点に後続のフローまでサポートするような仕組みが必要になりますが、全体設計をせず領域ごとに細分化してSaaSを導入してしまうとデータやオペレーションが各ツールに散らばってしまい、結果として全体の業務コストが高まってしまうリスクもあります。

API連携のイメージ

SaaSが急増するにつれ、SaaS間のデータ連携がシームレスにできることが業務効率化のキーポイントになっており、その手段の1つがAPI連携です。

APIによる全体最適とその難しさ

APIを活用することで、SaaSツール間のデータやオペレーションをシームレスに繋ぎ、業務の全体最適を図ることができる可能性が高まりますが、簡単なことではありません。

ユーザー目線でいうと、(生成AIが簡単なコードを書いてくれるようになったと言っても)APIを活用して複雑な要件を実現するのはまだまだ難しい部分があります。またAPIを通じてデータ連携をしたくても、利用しているSaaSが必要なAPIを公開していないというケースも多くあるでしょう。

またSaaSベンダー視点だとAPIを公開するためのノウハウやメンテナンスするリソースが不足していたり、連携している外部のプロダクト起因でバグのリスクが高まったりと、API連携を通じて価値を届けるのは一朝一夕でできるものではありません。

このメディアで発信していくこと

API活用やAPI運用の難しさ課題に直面している方に少しでもヒントを与えることができるよう、API総研では以下のようなテーマで情報発信していきます。

SaaSベンダー向け

  • APIを運営していくためのベストプラクティス(バージョニング、メンテナンス基盤、ライブラリ等)
  • APIを用いたユーザー獲得やマネタイズの成功事例

SaaSユーザー向け

  • SaaSのAPIを利活用するための最新のiPaaSなどの国内外プロダクト紹介
  • 生成AIを用いたAPI活用事例
  • データ連携したいSaaSがAPIを公開していないときの対処法

私はこれまでSaaSを作る仕事と導入する仕事も経験してきましたが、素晴らしい機能やUXを持つプロダクトがユーザーに十分に価値を届けられず、本質的な業務効率の改善につながっていない現場を目の当たりにするたびに、プロダクト作りの難しさを感じるとともに非常に歯がゆい思いを抱いてきました。

だからこそ、APIというソリューションを通じて、優れたプロダクトが真に力を発揮し、ユーザーに最大限の価値を届けられるようにすることが私たちの使命だと感じています。

当メディアがSaaSの進化と価値発揮を後押しできるような存在になれればと思っていますので、是非応援をよろしくお願い致します。

本メディアはAPI特化の開発会社であるECU株式会社が運営しています。記事についてのご質問やAPIに関するご相談・お問い合わせはお気軽にお問い合わせフォームまで。

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